トリ#2【発機脈動】
この絵の題材は、吉田松陰の言葉だ。
その言葉は、自分の私塾として共に学び合う場を作りたいと考えていた私を、その行動に駆り立てた『感』である。
結果としてその時に私塾を行うことはなかったが、この絵を描くきっかけになり、自分の望みの一端を見ることができた。
吉田松陰の言葉
心はもと活きたり、活きたるものには必ず機あり、機なるものは触(しょく)に従ひて発し、感に遇(あ)ひて動く。
発動の機は周遊の益なり。
書斎の中で本を通じて求めれば足りるというわけではない。四方の国々を周り歩いて、何を得ようとするのか、心はもともと生きものであり、生きものには必ず動きだすきっかけがある。そのきっかけは何かに触発されて生まれ、感動することによって動き始める。旅はそのきっかけを与えてくれる。
この絵を描いていた時期、私は子どもたちに想いを託したかったのかもしれない。
この時期、私は実家で暮らしていて、生活が停滞して感じられていた。
自分の心が欲するのをなだめ、枠の中での自由でまぎらわしながら家業の仕事を手伝っていた。
そして、そんな日々を送っていると、自分自身の可能性に限界を感じてくるようになる。
「自分は理想もなにも成し遂げることができないのではないか」と思い始めていた時、出会ったのが吉田松陰だった。
彼の生き方に触れていくにつれ、自分も意志ある人と共に学びたい。自分の培ってきた感覚や生き方を伝えたいと思うようになっていく。
自分に嘘はつけない。私は人々に尊敬されたいし認められたいし受け入れられたい。成長したい。
自分が知ったこと・感じたことを伝えることで少しでも誰かの救いになりたい、役に立ちたい。喜んでもらいたい。
この時代に当時29歳で
歳でも実績でもなく、今の自分がどう在るか。
ずっと生き方を模索している。
自分の心が求める所にいなければ、その望みは叶えられない。
私はここから伝えていく。
奇しくも、この記事を書いている今、私は山口県に暮らしている。
ここからまた始めていこう。
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