無農薬・無化学肥料の自然農法で作る河野さんのさつまいも。熊本県

2022年7月14日さつまいも農家,南阿蘇村

「荒れた土地を耕して自然で体にいいものを作れば、絶対いいものができるちやったら、ホントに美味しいものができたんよね。」

 

無農薬・無化学肥料の自然農法でさつまいもが作られるまで

これから紹介するのは、阿蘇の大地の中で人や自然と関わりながら作物を育てている河野(かわの)さんという兼業農家さんのお話です。

南阿蘇村兼業農家の河野さん

農業を始めるきっかけ

阿蘇郡の南部に”南阿蘇村”という九州で一番人口の多い村があります。

河野さんはその村で水道屋さんとして働いていましたが、仕事が月の半分ほどの日数で片付いてしまいます。

「これじゃあ体が鈍ってしまうなぁ」

と思った河野さんはゴーヤを育てることにしました。

これが兼業農家としての始まりです。

食糧危機に備えるために仲間とさつまいも作り

それから十数年続けていたある年、世間でコロナという流行り病が広がり始めました。

それは社会に大きな影響を与えていて、食糧難の危機もくるかもしれないという話も出てきて人々をざわつかせます。

そんな話を耳にした河野さんは仲間の電気屋さんとクロス屋さんと話し合って、

「芋つくってみんなで分けよう」

と、仲間たち3人でさつまいも作りを始めることを決めました。

無農薬・無化学肥料のさつまいもにこだわる理由〜大切な人のために〜

河野さんは始め、仲間2人には百姓経験がないから、自分たちの仕事もちゃんとできるように、そこそこの堆肥・肥料・農薬を使って育てようと思っていました。そうすることで作業としては幾分か楽になるからです。

ところが仲間たちは、

「無農薬・無化学肥料じゃなきゃ、できても人にあげられん」

と言います。

最初は、

(こいつらわけわからんこつ言うなぁ)

と思っていた河野さんでしたが、

(そう言われると俺の方が間違ってるなぁ)

と思って、それを受け入れました。

これが農薬・化学肥料を使わないさつまいも作りのきっかけでした。

有機農法のコミュニティで自然農につながる

仕事柄色んな人と面識のある河野さんは、それから有機農法で野菜を作っている人たちと知り合いになっていきます。

そして、みんな口々に

「河野さん、芋は無農薬で全然できるけん」

と語られます。

もっと知る。
  • 有機農をしている人たちは皆んながつながっていき、様々なやり方や情報を共有するようになるとのこと。
  • 南阿蘇で新しく農業を始める”新規就農者”はほとんどが有機農業で「自分の体に優しい食べ物を」という気持ちで立ち上がっている。

苦労して譲り受けた1000本の苗〜始まりのさつまいも〜

自然農での作り方を教えてもらった河野さんは、次に苗を手に入れなければいけません。

販売用とは別で作っている、農薬・化学肥料を使っていない芋の苗を持っている知り合いの農家さんに、苗を分けてもらえるようにお願いしました。

最初は

「その苗はやられん」

と断られましたが、手土産などを持って何度もお願いに通って、相手の農家さんに拝み倒した結果、

「そんないっぱいやられん」

と難しいながらも、1000本程の苗を分けてもらうことができました。

いよいよ河野さんのさつまいも作りが始まります。

もっと知る。

この始まりの1000本の子孫たちが、代を継いで今年1万数千の苗になってきました。来年には農地が広がり、数万の苗になっていくのです。


生産者プロフィール「熊本県南阿蘇村の河野さん」

さつまいも農家の河野さん

お名前 河野 裕治
年齢 69歳(2022年7月現在)
職業 水道屋 兼 ゴーヤ・さつまいも農家
趣味 ソフトボール(ピッチャー)・マラソン
芋作り歴 4年目
芋の種類 紅はるか・シルクスイート

河野さんへのインタビュー

ここからは、河野さんに取材したことを書いていきます。

さつまいも作りをしていて嬉しかったことは何ですか?

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河野さん

甥っ子たち家族を呼んで収穫するときに、ちびっ子たちが楽しそうにはしゃいで芋掘りをしているのを見たときは、やっぱり嬉しかったね

 

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河野さん

子だくさんの百姓仲間が何人かいて、そこの子たちが芋で育ったんじゃないかってくらい芋を食べてるんですよ。それで芋を作ってそれをあげるたいな。
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ぼく

ふむふむ。
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河野さん

するとやっぱり嬉しいたいな。喜んでもらえるし、その過程がね。

そう言った河野さんは、その百姓仲間や、その家族や子どもたちの写真を嬉しそうに見せてくれました。

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河野さん

芋をあげて、子どもたちが芋を食いまくってるっていう話を聞くと、やりがいとかじゃなくて嬉しいですね。お金とかじゃなく、こういうところで結ばれている、こんな仲間とはずうっと一緒におれるなぁって思うね。
お金が入るとね、なんか…心が入らんね。

さつまいも作りをして大変なことは何ですか?

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河野さん

一番きついのは収穫の時ですね。今までは全部機械を使わずにやってたから、全部自分たちで芋を掘り起こしてコンテナで運ぶってやりよったとですよ。
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ぼく

この広い畑全部人力で掘り起こしてるんですか!?それはまた途方もない…。どのくらいかかるんですか?
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河野さん

そうねぇ…一日ウネ2列くらいしか行ききらんね。来年からは知り合いに機械を借りてやろうと思ってます。
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ぼく

絶対そうした方がいいと思います!

長い畑をスコップで掘り起こした上、コンテナいっぱいの芋を何往復もするなんて考えただけで気が遠くなりそうです。

僕だったら間違いなく腰が崩壊する自信がありますし、60代でご夫婦でやってこられたことはすごいとしか言いようがありません。

さつまいも作りのやりがいはなんでしょうか?

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河野さん

作って、芋掘りおいでって言ったら、それを甥っ子とかがみんなでワイワイてちびすけ連れてきて、でウチで昼飯食ってワイワイなって。それでまた来年もおいでって。
本職で芋を作り始めたいわけじゃないけんな。そういう繋がりが、芋を作るやりがい。
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河野さん

それに、あんたみたいな人や、どうにか芋の作り方を教えてくれって、芋でどうにか成功したいって仲間が訪ねてきて。それも、友達に恵まれたやりがいですね。
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河野さん

うちの苗が欲しいって人がやってくるときも、もしかしたらうちの芋は美味しいのかもしれん。っていうのもやりがいですね。
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ぼく

いや、間違いなく美味しいです。

お話を聞いている中で、河野さんは人との関わりをとても大事にしているのだなと感じました。

河野さんにとってのさつまいも作りは、同じ道を進む仲間や、家族との思い出や団らん、そういった大切なものとをつなぐ架け橋のようなものであるのかもしれません。

取材を通して、河野さんの人柄や優しさに触れることで、こちらもとても暖かい気持ちになりました。

これからも、無理せず健康に過ごして頂けるように願っています。

いつも美味しいお芋をありがとうございます!

河野さんのさつまいものエピソード集

エピソード1
その場で大量注文
芋を扱っている会社の人が、河野さんのさつまいもを蒸して試食したところ他の芋よりも甘くて美味しかったので、その場で数百キロの注文が決まった。
エピソード2
見た目から伝わる
芋を長年育てている人のところに河野さんのさつまいもを持っていったところ、ひと目見ただけで「この芋は美味い」と言われた。
食べなくても見ればわかるそう。
エピソード3
我が子のために
自分の子どもに皮付きの安心できる芋を食べさせてやりたいという気持ちで、河野さんの芋作りを学びにきた人が仲間になった。
エピソード4
惹きつけてやまない
1シーズンで同じ人が10回リピートする。
エピソード5
想定外の出来事
河野さんの畑を他の人に貸して、自家用に収穫して余った芋をネット販売したところ、注文が多すぎて自家用がなくなってしまうという理由で河野さんのところに連絡が来た。結局そのまま河野さんのさつまいもも売り切れる。
エピソード6
嬉しいお言葉
ワタリドリの行商でつぼ焼き芋食べてくれた人が「このさつまいもは最強だよ!」と言ってくれる。
(とても嬉しかったし、誇らしかったです。)

最後に、食べてくれる人に一言お願いしました。

「美味しさよりも、小さい子から年寄りまでが全て安心して食べられる芋っていうのが一番いいと思う」

 

河野さんのさつまいもについて、詳しくはこちら↓↓↓のページで

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

さつまいも農家取材

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